古民家にならう、夏涼しい家

古民家にならう、夏涼しい家

こんにちは、鳴戸建築の広報担当です。^^

古民家は冬凍えるような寒さですが、その分、夏はとても涼しいです。玄関に一歩足を踏み入れた瞬間、文字どおりひんやりとした空気に全身を包まれます。

なぜ、古民家は夏でも涼しいのでしょうか?
そのひんやりとした空気の秘密は、古民家の構造や使われている材料にあります。

まずは、古民家特有の構造について考えてみましょう。

梁の露出した高い天井、開放的な空間。
壁ではなく、襖や障子などの建具で仕切られたオープンな間取り。
風の向きに合わせて配置された窓。

夏には間仕切り建具をすべて取り払い、窓を大きく開け放ちます。すると、その開口から取り込んだ風が、家の中をサッと通り抜けていきます。
さらに、深く突き出した軒や庇が、直上から照り付ける夏の直射日光をしっかりと遮断し、室内温度が上昇するのを防ぎます。

それでは、材料は古民家の涼しさにどう関係しているのでしょうか?

古民家は土壁や塗り壁、天然木など、すべて自然素材でできています。
これら自然素材には調湿作用があり、湿度の高い夏には湿気を吸って、家の中の適湿を維持してくれます。

エアコンの除湿機能を使うと、冷房よりも涼しいと感じることはありませんか?
あれは体感温度と湿度の関係によるもので、湿度が下がることで汗が蒸発しやすくなり、気化熱によって体温が下がるのです。
だから、気温が同じでも湿度が下がると、体感として涼しく感じるんですね。

また、昔ながらの三和土の土間は、地面の冷気を含んでひんやりとしています。
土間は比熱(物質の温度を変えるのに必要な熱量)が大きく、外気温や人の体温に影響されにくいため、玄関に入った瞬間「涼しい」と感じるのかもしれません。

古民家とまったく同じ間取り、仕様の家を建てるというのは、普段の暮らしを考えると現実的ではないでしょう。

しかし、軒の出や風通し、部分的に自然素材を使用するなど、今の家の機能性を保ちつつ昔の家のよさを取り入れることで、夏でも過ごしやすい家をつくることができるのかもしれませんね。

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