古民家の価値を継承する外壁・屋根改修

この高浜の地で長年住み継がれてきた古民家。現在は、お父様と息子さんの二人で住まわれています。

しかし、これまであまり手を入れていなかったこともあり、老朽化がすすんで雨漏りするように。

調査に伺ったところ、経年による板材の反りや腐朽、瓦の欠けなどが数多く見られました。

老朽化は建物全体に及んでいましたが、古民家は延べ面積が大きいこともあり、全面改修となると予算的に難しい状況です。

そこで、なかでも雨や紫外線の影響を受けやすく、傷みの激しかった2階の外壁と屋根に的を絞って補修することに。

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一体感を重視した杉板外壁の張り替え

板張りの外壁を改修する場合、コストを抑えるためにサイディングに張り替えることもありますが、今回は古民家ならではの風合いを残すため、また改修する2階部分と手を加えない1階部分に一体感を出すために、改めて板を張ることに。

古い杉板は全体的にシルバーグレーに色を変えていましたが、新たに張り替えた杉板は赤みがかった落ち着いた色に仕上げています。

1階部分は開口部が多いこともあり、さほど違和感はありませんね。

何年もたてば、この杉板も少しずつシルバーグレーに色を変え、既存の壁に馴染んでゆくはずです。

瓦の葺き替えと越屋根の載せ替え

この古民家の特徴のひとつに、伝統的な『越屋根』がありました。

切妻屋根の棟の一部分を少し持ち上げて、もうひとつ小さな屋根を載せたような構造になったものを『越屋根』といい、もともとは排煙や通気・採光を目的として囲炉裏の上に設置されたものでした。

この改修工事では、瓦の全面葺き替えとともに越屋根の載せ替えも行いました。

越屋根は機能性もさることながら、ビジュアル的にもいぶし瓦との相性が非常によく、古民家としてのデザイン性向上にも一役買っています。

地域に根ざした家づくり

鳴戸建築は福井県高浜町に根ざし、地域の気候風土に合った家づくりを心がけています。この古民家の改修にあたっても、福井県の伝統民家に多く見られる越屋根をそのまま残すと同時に、地域環境への調和を大切に。

大工の技術を存分に駆使しながら、地域の伝統とお客さまの住まいを守ることができたのではないでしょうか。

伝統的な工法を用いて住まいを守るということは、地域の歴史と暮らしを守ることでもあります。

古民家の改修なら、経験と実績豊富な鳴戸建築にご相談ください。

皆さまの大切な住まいの保守管理を、末永くサポートさせていただきます。

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