昭和初期の民家を彷彿とさせる、和風住宅。
白漆喰と石張りの外観を模したような、アイボリーと濃いグレーのサイディング。
格子をあしらった玄関まわりのしつらえにも、どこか懐かしさを感じます。
玄関横の丸窓と、玄関上部の正方形のFIX(はめ殺し)窓が、1階と2階のワンポイントアクセントに。
もともとおばあちゃんがひとりで暮らしていた家ですが、離れに住んでいた若夫婦が一緒に住むことになったのを機に、全面リノベーション。
屋根と柱だけを残してすべて解体し、間取りも内外観のデザインもすべて一新しました。
玄関を開けると広がる、木の空間
南側にあった玄関は、東側へ。
もともと二間続きの和室があった南向きのいちばんよい場所にはリビングをレイアウトしました。
玄関を開けると、ホールを介して空間がひと続きに。
自然の色で明るめに仕上げた玄関に対し、LDKは赤みのあるチークカラーで落ち着いた雰囲気に。
南向きの掃き出し窓からは、一日をとおして明るい光が注ぎ込みます。
間仕切りをすべて取り払ったことで広いLDKが実現しましたが、既存の柱や壁によってリビング・キッチン・ダイニング・書斎コーナーと、役割ごとに空間がゆるく仕切られています。
LDKを一望できる対面キッチン。
以前までの独立した台所とは違い、家事をしている間もずっと家族の気配を感じられます。
くつろぎと機能性を両立する
既存の和室はすべて撤去しましたが、一方でリビングの隣に6畳の畳コーナーを新設。
小上がり下部には引き出し収納を設け、スペースの有効活用を。
障子を締め切ってしまえば、独立した和室として来客をもてなしたり、宿泊してもらったり。将来は若夫婦の寝室として使うなど、活躍の場が広がります。
もちろん、家族団らんのくつろぎ空間としても。見ているだけで、思わずゴロゴロしたくなってしまうようなリビングとの一体感が魅力ですね。
古い家は使い勝手が悪いのは、今回のリノベーションでは「日々を生活しやすくする」ことが最大の目的でした。
まずは、リビングを明るい南側へ。ひと続きのキッチンは、東側へ。回遊できる動線で、家事も暮らしも効率的に。
水まわりは明るく、衛生的に
さらに、もともと東側にあった水まわりは、北側へと移動しました。
白を基調の内装にしたため、北側でも十分明るく感じます。
ゆったり、伸び伸びと。
そんな願いを込めて心を尽くした、鳴戸建築のリノベーション。
暗く住みづらかった昭和の家屋が、明るく開放的な現代の住まいに生まれ変わりました。