こんにちは、鳴戸建築の広報担当です。
秋の気配を感じる今日この頃。夏の湿気や紫外線にさらされ、人も住まいも少しお疲れ気味ではないでしょうか。秋は、暑さと寒さの狭間にある、つかの間の休息時間。お住まいの不具合などはありませんか?

近年は建築費の高騰が影響し、新しく土地を購入して家を建てたり、既存の住宅を解体して建て替えたりするよりも、中古住宅を購入してリフォームする方や、既存の住まいをリノベーションして住み続ける方が増えています。
『リフォーム』と『リノベーション』は、ただ単に工事の規模が違うだけだと思っている方も多いようですが、実は両者は目的からして異なります。
一言で表すと、
リフォーム=修繕・改修
リノベーション=刷新・再生
といったイメージでしょうか。
古くなった部分を新しくしたり、壊れた箇所を直したりすることが中心のリフォームは、たとえば、お風呂のユニットバスを新しいものに交換したり、キッチンの設備を最新のものに取り替えたり、クロスや床を貼り替えたりと、もともとの間取りや機能をそのまま活かしながら、快適性や見た目を向上させることを目的としています。

一方でリノベーションは、もう少し大胆な工事になります。間取りを大きく変えたり、用途そのものを変更したり。たとえば、和室や台所をひとつの大きなLDKにする、玄関や階段、水まわりを移動して動線を効率化するなど。
でも実際のところ、この境界線は意外と曖昧です。実際の工事では、リフォームとリノベーションの要素が混在することも少なくありません。たとえば、
「キッチンを新しくするついでに、間取りを少し変える」
というのは、その典型。
だから、リフォームとリノベーションを厳密に線引きする必要はありませんが、数百万円から場合によっては数千万円規模になることもある工事ですから、きちんと目的意識を持つことは大切です。
単純に設備や見た目が新しくなればよいのか、それとも生活スタイル自体を変えたいのか。そこを明確にすることで、適切な改修方法が見えてきます。

今年4月の法改正により、リノベーションが少し難しくなりました。
これまでは増築しない限り不要だった改修の建築確認申請が、リフォームやリノベーションでも必要になるケースが増えたのです。こうなると、築年数が古く検査済証のない家や、過去の改修で建築基準法に適合しなくなっている家は、いざリノベーションしようと思っても建築確認が通らない可能性があります。
こうした背景もあり、今後は構造部にできるだけ手を加えず、家全体をきれいに一新する『フルリフォーム』が主流になっていくかもしれませんね。